1万円起業 / クリス・ギレボー,本田直之
インターネットの普及によって、物の売り方は大きく変わりました。
そして、Amazon、メルカリ、ヤフオクなどここ数年で、素人が売るための環境が整いました。
よいものや興味を引くものを作ればだれでも物が売れる時代です。わたくしも起業を考えてみたことはもちろんあります。
ただ売るものを見つけるのが難しい。
類似のものはすでにたくさんありますし、手に入れやすいものはすぐにまねをされてしまいます。
起業をしたいなと思ったとき、いくつかの書籍を当ってみましたが、まったく自分の未知の領域は難しく、趣味や自分の仕事の関連で見つけるのがよいようです。
この本もそういった起業をしたい人のための本となります。
しかし、成功者のやり方を外側から見た結果であり、実際にその人たちがどんなことを考え、どんな苦労をしたのかには触れられていません。
実際には文章にできないところにこそ、成功のポイントがあると思うのです。
それは、もしかすると本人の見た目かもしれませんし、住んでいるところかもしれない。彼らの友人の一人に優秀なアドバイザーがいたのかもしれませんし、PCの中にたまたま必要なアプリケーションが入っていたのかもしれません。
また、海外の事例ですので、参考にはならない箇所もあるかと思います。
この書籍はどちらかというと、企業をしたい人の心理的なハードルを下げるための1冊だと思います。
やりたいけど無理だとか、どうやっていいかわからないという人向けに、「なーんだ、こんなに簡単にできるのだ(本当は違うけれど)」と思ってもらえるような1冊だと思います。
ただこの書籍好感が持てるのは、年商数百億円のようなビックビジネスになりましたというような話はほとんどなく、月10万円とか、年収600万円といった、なんとかなるかもと思える事例ばかり集めていることです。
日本でいうと副業という取り扱いの規模と考えていただくとよいかなと思います。
手に取ってみて損はないですが、本当に何らかのビジネスを始めるのであれば他にもいくつか手に取ってみる必要はありそうです。