きことわ / 朝吹 真理子
いわずと知れた第144回芥川賞受賞を受賞した本ですね。ずいぶんと時間がたっていますが、読んでみました。
全体的に、彼女しか書くことができないような独特の雰囲気にはなっています。
いいなと思ったのは、「きことわ」というタイトルから受ける印象がそのまま本になっているということでした。
「きことわ」という音やその文字から受ける印象どおり、きれいな感じというか、さらっとした感じというか、少し幻想的というか・・・。こういうときボキャブラリが足りないのが本当に情けなくなる・・・。
すこし残念だと思ったことは、再会の年齢が高すぎたこと。40歳のお姉ちゃんと妹のからみと言うのがちょっとうけつけなかったんです。
子供の頃の二人はイメージしやすかったんですけどね。きっと彼女の周りには透明感のある40代が多いのでしょうね。
受賞から数年がたっていますので、何冊か本を出されたいるようです。どの本もこの感じだとうれしいな。
これとは対照的な苦役列車も読む予定です。読み終わったらまた勝手にレビューします。