あるキング / 伊坂幸太郎
幼いころからバッティングの天才であった王求(おおく or おうく)がプロ野球選手になって記録を作るまでのお話。
・・・ですが王求は野球選手である必要はないと思います。
王(=キング)でありさえすれば、サッカー選手でも、ピアニストでもいいんです。
毎日ひたすらに練習をする王求。キングになってからも、特別なことは何もなく、打席に立ってバットを振り続ける。
小説の中に織り込まれた既視感。そして0歳という章から始まって0歳という章で終わる構成。
この小説には「繰り返し」というテーマが含まれているのだと思います。
盛者必衰、歴史は繰り返される・・・。うまい言葉が見つかりませんが、どんな人生を歩んだとしても、繰り返しの積み重ねで世界は成り立っているんだ。
読了後にはそんな感想を持ちました。
伊坂氏ってこんな感じの作品もあるんですね。
かかしやピエロの世界観のイメージが強かったので少し驚きました。