悪人 / 吉田修一
おもしろかったです。九州の話で、博多弁や知っている地名がたくさんでたから余計に親近感が持てました。
この本はぱらぱらとページをめくって、目次を見たときに読もう!と決めました。
第一章 彼女は誰に会いたかったか?
第二章 彼は誰に会いたかったか?
第三章 彼女は誰に出会ったか?
第四章 彼は誰に出会ったか?
最終章 私が出会った悪人
うーん、なんてそそる構成なんだ。
一番の悪人は殺人をした彼。だけど極悪人というよりは、ずるい人という感じですかね。
結局自分一人でいろいろかぶってさ。
あともう一つ考えたのは悪人ってのは世間じゃないかと。
本当のことを知らずに騒ぎ立てたり、祐一が嘘をついてまでかばった彼女を「マインドコントロール」と思わせてしまうとか。
本当は心優しい祐一をおびえる女性を見て興奮するタイプと限定しちゃうところとかさ。
不覚にも泣きそうになってしまった箇所もあったりで大満足です。
再読したい1冊です。