もういちど生まれる / 朝井リョウ
大学時代の数ヶ月間をそれぞれの登場人物の視点で書いているのがこの作品です。
私自身は大変不真面目な大学生だったので、学校はあまり行かず遊んでばかりいました。
楽しかった思い出もたくさんありますが、ふられてしまったり、学生だからとなめられて嫌な思いをしたこともたくさんあります。
私もこの作品の中の登場人物のように、何かでっかいことをやってやるんだと思ってはいましたが、自分の力の無さにいい加減気付いてきておりました。
目指している物は違うのに、みんな同じような悩みを持っているのがこの年代の特徴なのかもしれません。
そんな彼らの心情がとてもうまく書かれており、少し心が痛い思いをしながらも最後まで楽しむことができました。
一番印象に残ったのは最後の主人公ですね。
学校に行ったあたりから「え?まさかそれやっちゃうの?」と思ったのですが、やっぱりやっちゃうんですね...
そりゃそうか。
あー、どちらも可哀想。
この人の作品は本当にタイトルの付け方がうまいと思います。つい手にとっちゃうんですよね。
大学生の頃に手に取りたかったな。