いもじろうの読書ログ

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日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか / 内山節

 

日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか (講談社現代新書)

日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか (講談社現代新書)

 

こういった視点で物事を考えることは結構好きです。

 

また、私の祖母もたまに「キツネに化かされた」といっていたのを思い出し、手に取りました。

 
キツネにだます能力がないことはおいといて、作中の結論としては、高度成長期があげられていました。
 
農村から離れ、都市に出稼ぎに行く人が増える、高校や大学にいく人が増える、森林を伐採する、そんなことが引き金となって、人々がより現実的になったことが原因です。
 
印象に残ったのは、外国人はキツネにだまされないという部分です。
 
キツネなどの動物が人間をだますという文化がないため、うっかり道を間違えても、縁側の油揚げがなくなっても、キツネのせいにはならないのです。
 
民俗や宗教などにも触れられており、納得のいく内容でした。あと心理学的な要素もはいっているのかな...
 
こんな形で日本の歴史や文化を見ていくのは面白いですね。外国の人にも日本人らしさとして紹介したいくらいです。