ボスニアで起きたこと / 伊藤芳明
表紙の写真から、悲しいお話だろうと容易に想像つくと思いますが、民族浄化が行われたボスニア・ヘルツェゴビナのお話です。
民族浄化は、英語では、エスニック・クレンジング(ethnic cleansing)と呼ぶようです。知らなかった・・・。
この紛争は簡単に言うと、セルビア人とクロアチア人とイスラム教徒がみんなで殺しあうというそんな紛争です。
隣人が突然手りゅう弾を持って「お前たちを殺す」って来るんですからほんと恐ろしいというかわけわかりません。
そして浄化なので、当然女子供もすべてが対象となります。
惨殺の様子もある程度記載してありますので、苦手な方は読まないでください。
筆者はこの紛争の地に直接赴いて現地の人と会話をし、写真をとり、それを本にまとめています。
中東もそうですが、この辺の歴史や各国の背景は複雑すぎていまだに理解できない。
たった20年前の書籍です。現在は落ち着いているようですが彼らの脳裏には虐殺された家族や友人の姿は色濃く残っているでしょう。
それにしてもこの紛争、結局誰が得をしたの?それもわからない。
そして、表現できないような個人の怨念のようなものは確実にまだ残っていると思うな。
「浄化」なんて人に使う言葉じゃないですよね。こんな恐ろしいことが起こらないことを祈ります。