刻まれない明日 / 三崎 亜記
とある街の人間が丸ごと消失してしまった事件から10年。
その街の唯一の生き残りである一人の女性が中心となって物語は進んでいきます。
みんなの記憶の中から少しずつその街の記憶が消えていく方向で話は進むのですが、その時々でいろいろな出来事が発生します。
存在しない図書館からの貸し出し依頼、鐘の音、そして蝶など、時の流れの残酷さを感じながら読み進めることができます。
ただ、若干まとまりきっていない個所があるような気がして、タイトルにもひかれた、表紙にもひかれたのですが、正直なところもう一歩入り込めない1冊となってしまいました。
どうやら「失われた町」という作品の続編と言うことですので、先にそちらを読んでおけばもう少し味わい方が違ったかもしれません。
三崎氏が好きであれば失われた町とセットで読むのが良いかと思います。
私は、「となり町戦争」の方が好きです。