永遠の0 / 百田尚樹
映画化され、何かと話題のこの1冊をようやく読むことができました。
ニートになりかけの弟と利発な姉が、自分の祖父の過去を知るために戦友にインタビューをする形で話が進みます。
私の大好きな第2次世界大戦のお話。言わずもがなですが、ゼロはゼロ戦のゼロで、特攻で死んでいった兵士達の話です。
特攻隊の話には、とにかくお涙頂戴系のものが多かったり、国のために死んだ若者を賛美したりするものが多いですが、この作品はそれとは少し異なった切り口で書かれており、最後まで本当に楽しく読むことができました。
「十死零生」・・・この言葉が何度か出てきますが、特攻へ向かう若者の心情を思うと心臓のあたりが締め付けられるような感覚があります。
戦争経験者の祖父がまだ健在で、よく話を聞かせてもらいます。祖父もぜったいに死にたくないと思っていたということです。
特攻へ向かった彼らも同じ気持ちだったと思いますが、最後まで気丈にふるまうあたりは、今思い出しても涙が出そうになります。
海軍の無能っぷりや、突撃直前にモールス信号を打つあたりなどまだまだ書こうと思えばたくさんあるのですが、長くなりますので私の感想はこの辺で終わりにします。
一部読解できない箇所がありました。それは、姉の婚約者でごたごたするあたりや、老人に対してキレるあたりです。
うーん。婚約者のあたりは本当に好きな人と結婚しろと言うこと?ですが今回の作品にはそういったテーマはなかったような気がします。
何らかの意図があるのだと思うのですが、どうしても読み取れませんでした。
戦争が好きな方は是非読んでみてください。そうでないかたも、読んで損はない1冊です。