金色天化 / ヤマダマコト
紙の本のほうが好きなのですが、食わず嫌いはやめて、電子書籍にも挑戦するようにしています。
金色夜叉ならぬ金色天化というなかなかインパクトのあるタイトル。天化って一体何なのだろうと思い、手に取ってみたのですが、読み応えがあり面白かったです。
天化とは化粧の一種でしょうか。
隈取ほど仰々しくはないけれども、舞台メイクのような比較的しっかりとした塗りを想像しました。
この天化を施すことにより、自分自身を鼓舞したり、天化した人物を見た人にたいしてさまざまな影響を与えたりします。
読み始めはホラーなのかな?と思いきや、途中から刑事ものに。で、ラストだけ読むと青春ものっぽいというそんな不思議な1冊でした。
刑事ものの作品の場合、私が一番好きでもあり期待しているのはエンディングに向けての駆け上がりです。
物語が急展開し、そのままの勢いで一気に解決するアレですね。この作品の駆け上がる感じはいいですね。
一番上の姉がややチートすぎるのと、主人公がボヤっとしているくせにクールに決める感はありましたが、とても満足ができました。
一山終わって、さてこれで終わりかなと思ったのですが、最後にワンシーン。
田んぼ、二人乗り、快晴というもう私には二度と手に入れることにないシチュエーションでエンディングとなります。
個人的にはコガネがあのままついていき、お店は塗装ショップとして再オープンでもよかったかなと思います。
腕は世界レベルなのに、なぜかいつも暇そうな塗装ショップ店。
事件があれば天化を使って大活躍+ピンチになると顔を出すコガネ そして最終兵器チート姉なんて設定はどうでしょうか。
ここまで書いてやっと気づきました。コガネ=金色ということで、金色天化ということだったんですね。ということは、天化はやっぱりコガネのものなのだろうか。
ひさびさに続きがきになる1冊で、最後まで映画を見ているような楽しさがありました。
ボリュームもしっかりあり、おすすめです。