虐殺器官 / 伊藤計劃
本屋で見かけてから、タイトルや表紙のインパクトが強く、ずっと読みたいと思っていたのですが、先日やっと読了することができました。
現在より100年くらい後の世界のお話。
主人公は軍に所属する暗殺者です。彼に与えられた指令は、各地で意図的に起こされている虐殺の主犯格を暗殺すること。
ここでいう虐殺は人を1人殺すとかそういったものではなくてコソボやヒトラーのように根絶が目的で徹底的にお互いが殺しあうものです。
主犯格は直接手は下さず、何らかの手を使って、お互いが殺しあうように仕向けているのです。
すべての人は指紋、網膜、体に埋め込んだIDチップなどで行動がチェックされているはずなのに、その主犯格はどういうわけかその網をすり抜けてしまいます。
彼を追っかけたり、途中で恋愛したり、母親の死について考えたり、そんな感じでお話が進んでいきます。
虐殺器官はいったいどこの部分なんだろうと思っていましたが、作品のなかほどでそれが何を指すのかわかります。
この人の作品は初めて読みましたが、読み終わった時の感想がとても難しいです。
ふつうは面白かったとか、感動したなどがあるのですが、虐殺の話や母親の死、少年兵などそれぞれのインパクトが強いものばかりなので、ポイントがどうも絞りきれないのです。
もう一回読まないとダメかなぁ。