女の一生 / モーパッサン
この本を手に取った理由は、母親の本棚にあったから。
当時はまだ小学生でしたが、この本のタイトルをみて妙な居心地の悪さを感じたのを覚えています。
まず、母親が女であるということが理解できなかった。 そして、一生ってどういうことなんだろうと。
時は流れ私もいいおっさんになりました。
普段は寄り付かない書架を眺めていたら目に入ったこのタイトル。 偶然とは思えず、この年なら問題なく内容が理解できるだろうと思い、早速借りてきました。
海外の時代背景は正確には判別できないのですが、 城が出てきて伯爵とかがいて、教会の力がまだまだ強くて、長距離の移動は馬車という時代です。
そこでたくましく...ではないですね、どちらかと言うとつつましく生きる女性、ジャンヌのお話です。
自分の産まれ故郷に戻り、結婚するまでの華やかさと比べて、その後の人生のなんとつらいことか。
恋に恋しているとは時代や国は関係なく使える言葉なのかもしれません。 そして、けち臭い旦那、度重なる浮気も現代と似たようなものじゃないの。
旦那には早々に見切りをつけ、子供を溺愛し始めるジャンヌ。 しかしこいつがとんでもないドラ息子に育ち、どこの馬の骨ともわからない女に入れあげ、
ジャンヌは一人ぼっちになってしまいます。
コレも今と変わらないじゃないの。。。
ラストは少し唐突です。 愛するプーレが戻ってきてからの続きがありそうなものですが、 突然終わってしまいます。
なんとなくですが、結局ジャンヌは「私は不幸だ」と思いながらこの世を去っていくのではない かと思います。
どんなにお金があっても、どんなに地位が高くても 自分が幸せと思えないというのはとてもつらいことですよね。
私の母親はジャンヌを自分に重ねていたのだろうか。 とはいえ、我が家は貴族でもないしお城もないな。父親がけち臭かったのは事実だけど。
私はけち臭いとは思われないように、今日はケーキでも買って帰るかな。。。