青の炎 / 貴志佑介
サイコパスになりきれていない若者が主人公と言いきっていいのではないでしょうか。そのため、彼は自分とるべき行動に悩んだり、失敗を反省したりしています。
悪の教典のイメージがとても強かったのでもしかして、もしかしてこの子たちも殺してしまうんじゃ・・・なんてハラハラしましたが、意外と被害者が少なくてホッとしました。
緻密な計画を立てそれを実行していくまでの描写が細かく、その場面を想像するとぞっとします。
こういったところが貴志氏の作品の特徴でしょう。
読了後に一つの疑問が。
「正当な理由での殺人ってあるの?」
介護疲れの殺人は場合によっては無罪でいいのではないかと思っています。
ぼけた老人の介護というのは本当につらく、介護者が擦り減っていくという表現がぴったりです。
私は自分で下の世話ができなくなったら、もうほおっておいて欲しい。
姥捨て山ならぬ、爺捨て山に行かせてほしい。
そんなことを考えてしまった1冊となりました。